ストックホルムのコンストファック(芸術・工芸・デザイン大学)で1979-84年までインテリアと建築を学んだマッツ・テセリウスは、1995-96年までヨーテボリ大学HDKデザイン・工芸大学で教壇に立ちました。2011年よりスウェーデン王立芸術アカデミーの会員でもあるテセリウスは、アートとデザインが交わる世界で活動しており、独創的で高級感のある椅子のデザインでよく知られています。1997年にブルーノ・マトソン アワードとトシュテン&ヴァニヤ・ソーデルベリ デザイン賞、2018年にプリンスヨフェンメダルなど、数々の名誉ある賞を受賞しています。


Three ways of celebrating anniversaries of a timeless design

マッツ・テセリウスとString Furnitureのコラボレーションにより、これまで3つのアニバーサリーモデルが限定発売されました。これらの作品はニルス&カイサ・ストリニング夫妻のオリジナルデザインを元に異なる解釈を加え、限界まで芸術性を追求したものでした。

テセリウスはそもそもString®がシンプルな家具であることを指摘しています。戦後の福祉国家スウェーデンの象徴であったこの製品は一時「色褪せ消えた」ものの、その後復活して今では熱狂的な人気を博すようになりました。

このリバイバルに対するテセリウスの最初の貢献は、2009年にString®の60周年記念で発表されました。彼がデザインした小さなString® Pocketは記念すべき年を祝してシェルフにローズウッド、サイドパネルにゴールドを纏ったものでした。「冗談なのか本気なのか?それは見る人が決める」と当時のテセリウスは書いています。

String® Pocketが誕生から10周年を迎えた2015年、テセリウスはステンレススチールのみでString® Pocketを制作しました。String®の驚異的な耐久性を象徴したデザインでした。テセリウスが選んだ素材は、このシェルフが何百年も使えることを意味し、家の中だけでなく屋外使用の可能性も広げることになりました。「すでに時代を超越したクラシックとなっているものを、永遠の聖人にするようなもの」と彼は言います。

2019年にはString®70周年を記念して、テセリウスによるガラスのString® Pocketが発売されました。軽量でエレガントな佇まいのそれは、ガラスのシェルフと、シェルフのエッジ部分と同色の柔らかなブルーグリーンのウォールパネルで構成されました。シェルフが「無色透明でまるで目に見えないかのよう」になるとテセリウスは表現しています。